内容正文:
第14課 日本人の行動規範
―恥の文化
日本文化导读
目 次
一、新しい語彙
二、本文
1.「恥の文化」の提起
2.「恥の文化」の成り立ち
3. 武士道
4. 「恥の文化」の功罪
三、問題
新しい語彙
プレート (plate) 板块
土砂崩れ (どしゃくずれ) 塌方
地滑り (じすべり) 滑坡
水防 (すいぼう) 防汛
ナショナリズム (nationalism) 民族主义
スキャンダル (scandal) 丑闻
タトゥー (tattoo) 刺青
命乞い (いのちごい) 乞求饶命
一、
新しい語彙
吹雪 (ふぶき) 暴风雪
見据える (みすえる) 看准
功罪相半ばする (こうざいあいなかばする) 功过参半
棹さす (さおさす) 撑篙
刈り入れ (かりいれ) 收割
擲つ (なげうつ) 豁出,丢开
揶揄 (やゆ) 揶揄
リンチ (lynch) 私刑
はけ口 (はけぐち) 发泄处
一、
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1. 「恥の文化」の提起
二、
◆ 『菊と刀』
◆ 「恥の文化」と「罪の文化」
本文
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1.「恥の文化」の提起
二、
◆ 『菊と刀』
ルース・ベネディクト氏
日本の文化を「恥の文化」とする考え方がある。これは、日本人は「恥」という価値基準を基に行動する民族だという主張である。「恥」に基づく行動とは、自己の行動の基準を他者の側に求めるものであり、西洋の思考とはまるで違う道徳規範に支えられているのだ、という。「恥の文化」日本人の行為規範を示すのに欠かせないキーワードとしてこれまで用いられてきた。
二、
◆ 『菊と刀』
1.「恥の文化」の提起
階級性
日本人の社会行動の特徴は「各々その所を得」て「ふさわしい位置」に甘んじることが平均的な行動のルールである。
義務-恩
狭義の義務
返しても返しきれない無限の義務で、「忠」と「孝」はその典型である。仕事に対する責任もその義務に含まれる。
義理
受けた恩に等しい量だけ返せばよく、時間的にも限られた義務である。
世間に対する義理
主君や近親に対する義理 。
名に対する義理
復讐の義務、失敗や無知を認めない義務、礼節を守る義務などがある。
二、
◆ 『菊と刀』
天皇家の紋章
刀
1.「恥の文化」の提起
「菊」とは天皇家の紋章であり、あわせて菊作りに励む日本人の美意識も象徴する。
「刀」は言うまでもなく、武士道の精神を意味する。
二、
◆ 『菊と刀』
西洋の「罪」の意識と日本人の「恥」の意識
ベネディクト氏は、日本人の何気ない行動が、西洋とは違う道徳規範に支えられていることを見事に解き明かしている。
1.「恥の文化」の提起
二、
◆ 「恥の文化」と「罪の文化」
恥の文化
罪の文化
VS
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1.「恥の文化」の提起
誰も見ていなくても、周囲の目がなくても、いつもどこかで神が見ているから、悪は悪、善は善である。
「神の目」という絶対的な基準に支えられている。
大状況志向である。
唯一絶対の神の前で、誰がどう判断しようとも、悪いものは悪いと認める。
欧米はキリスト教文明であり、行動の規範の根底に宗教の戒律が存在する。
「人が見ているからやらない」「人が見ていないなら構わない」と言うように、「他人の目」が行動を決定する規準となっている。「恥」をかかなくても済む人目(特に知人の目)のないところでは、随分平気で悪いこともする。
「他人の目」という相対的な基準に支えられる。
小状況志向である。
自分の周囲や、世界と言ってもせいぜい日本という狭い範囲での判断や評価で行動を決める。
日本は多神教国家であり、唯一絶対の神を持たないために、いわば相対的に善悪が規定される。
2. 「恥の文化」の成り立ち
二、
◆ 集団への帰属意識
◆ 世間と世間体
本文
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二、
◆ 集団への帰属意識
個人の集団への帰属意識は強くなる。
2. 「恥の文化」の成り立ち
厳しい自然条件
国土が狭い。
人口密度は大きい。
資源にも乏しい
地震、津波、火山の噴火。
梅雨と台風の時期に集中豪雨、土砂崩れ、地滑り、洪水。
大雪が降り、竜巻などにも襲われる。
稲作
特別に能力の優れた個人より、平均的な能力の持ち主が多数いるほうが有利である。
灌漑、水防、畦作りなど水の管理を中心とした稲の栽培には、多くの人々の協同作業が不可欠である。
協力し合わなければ、生産活動が成り立たない。
二、
◆ 集団への帰属意識
2. 「恥の文化」の成り立ち
集団主義
一時的にある方向に向かって、人々が一斉に同一行動を取るということがある。「集団的ナダレ現象」とも呼ばれる。
国家という集団における集団の優位性が異常に強調され、個性を抑圧した。その結果、日本は一時、軍国主義に走り、あの悲劇の戦争を起こして、日本国民にも大きな損害をもたらしたのである。
戦後
戦後、こうした集団主義は、会社や学校などといった機能集団への強い帰属意識へと変わり、高度経済成長期以降の日本社会の発展を支えてきた。
2. 「恥の文化」の成り立ち
二、
◆ 世間と世間体
世間=「社会」「社会を構成する人たち」「世の中」
必ずしも特定の場所や人を指すのではなく、家族以外の人々がお互いに関係を結びながら仕事したり、生活したりしているところを意味する。
二、
◆ 世間と世間体
「世間」の構成
2. 「恥の文化」の成り立ち
「ソト社会」
親戚、知人、隣人、同僚など日頃付き合っている比較的狭い範囲の社会を指す。「世間に顔向けできない」「世間に笑われる」の場合の「世間」とはこのような狭い範囲の社会を意味する。「世間並み」「世間体が悪い」の場合の「世間」は、知人や隣人を中心とした人間関係である。
「ヨソ社会」
より広い範囲の社会であり、時には一般大衆を指す。日本の政治家が自分のスキャンダルを世間に知られると、よく「世間をお騒がせして申しわけない」と言う。この場合の「世間」は不特定の一般大衆を指している。
2. 「恥の文化」の成り立ち
二、
◆ 世間と世間体
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世間体
世間に対する体面•体裁のことであるが、それは世間の存在(言い換えれば他人の目)を過敏に意識する日本人独特の規範意識である。
「世間の目」によって自己の行動を使いわける日本的な倫理観の基礎となっているのである。
個人的な感覚というより、もっと広い世間一般の目や社会的評価、あるいは道徳的意識から来ることが多いのである。
3.武士道
二、
◆ 武士の名誉
◆ いさぎよさ
本文
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3.武士道
二、
◆ 武士の名誉
戦場で戦う武士
平安時代中期に誕生した武士は、主君のため戦地に行って戦い、その褒賞として土地をもらい、自分の一族を養うというのが一般的な姿であった。戦場において、敵の陣地に一番先に馬を乗り入れて勇敢に戦うことは、「一番乗り」と言って武士の最高の名誉とされた。
3.武士道
二、
◆ 武士の名誉
江戸時代になって、あらためて「武士のあるべき姿」を示す必要が出てきた。
武士道においては、主人のためにいつでも命をかけて戦う覚悟を持つことが重要視され、死を恐れないことや、金銭への欲望を持たないことなどが美徳とされた。
武士としての誇りを失うことは最大の恥であった。 江戸時代に強調された武士道の考え方から見ると、鎌倉時代の武士のように褒賞のために戦うのは、むしろ恥じるべきことですらあったのである。
武士道における「名誉」とは、名を尊び自分に恥じない高潔な生き方を守ることである。
恥はすべての徳、善き道徳の土壌である。
新渡戸稲造著『武士道』(明治時代)
武士道とは死ぬこととみつけたり。
山本常朝著『葉隠』(江戸時代)
3.武士道
二、
◆ いさぎよさ
「いさぎよさ」は武士の道徳の中でも、もっとも重要な項目であると言っていい。
負けても、敵の前で逃げたり、敵に命乞いをしたりはせず、名誉を守るためにむしろ死を選ぶ。
何か大きな過ちを犯したり、自分の責任を果たせなかった場合、武士は言い訳せずに、いさぎよく「切腹」する。
切腹
3.武士道
二、
◆ いさぎよさ
満開の桜はそのままでいるということはあり得ず、いずれは散るのが花の宿命である。しかし、色褪せても散らないで、いつまでも咲いているような他の花と違って、桜はパッとと咲いてパッと散る。吹雪のように散る桜の姿に、大和心を持った日本人は「滅びの美学」すら見据える。
「花は桜木、人は武士」との言葉もあるように、武士は不名誉な生を長らえるよりも「名誉」ある死を求め、桜のような散り際を武士道の誉れとした。「花は散り際、武士は死に際」というものがある。
敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山ざくら花。
本居宣長
桜吹雪
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4. 「恥の文化」の功罪
二、
◆ 協調性
◆ 責任逃れと没自己
本文
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4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 協調性
知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。
夏目漱石著『草枕』
協調的な性格が育まれた。
他人の目を特に気にする必要がある。
周囲に対して気を遣う。
謙虚な態度をとる。
4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 協調性
人間関係において
角を立てない
周囲の人とうまく調子を合わせてやっていく。それこそが日本人の処世術の最も重要なポイントと言える。
4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 協調性
日本民族は和を乱さず協調性を持つことをとても大切にする。
隣り百姓
その場その場を「丸くおさめる」ことが日本人にとって重要な社会生活の知恵となる。
協調性が高い
それぞれ集団から高度の協調性を強く求められるため、個性を抑制し、集団の一員として自主的に組織の「和」を維持するように振舞うことを教えられる。
礼儀正しい・マナーの高さ
「恥を知る」ことが、一人の人間として社会生活を送る上できわめて重要なこととなる。
4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 協調性
協調性をベースとした日本人の美徳であり、日本社会発展の原動力でもある。
名誉を重んじる。
世間に迷惑をかけない。
義理人情を大切にする。
4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 責任逃れと没自己
世間の目を恥じるということは、世間の目が変われば自分の恥の感じ方も変わる。
柔軟な生き方といえば言える。しかし狡くて功利的な生き方ということもできる。
模倣が多くなり独創は少ない傾向がある。
悪行
知られたら非常に恥ずかしく感じる。
恥よりも死を選ぶこともある。
ばれなければ、自分のやったことを悪いとは感じない。
「遺憾」の意を述べるぐらいで終わる。
4.「恥の文化」の功罪
二、
◆ 責任逃れと没自己
「恥の文化」では、多くの人の価値観に合わせておけば間違いないという心理が働くため、個人の自立性が育ちにくい。こういう日本社会の中で生きることにストレスを感じる日本人も多い。ストレスが積み重なって、はけ口を求めた結果、いじめや村八分やリンチ事件まで引き起こしてしまうこともある。
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問題
三、
次の各問いに答えよ。
(1)『菊と刀』はどんな内容の本か、簡単に説明せよ。
(2)「恥の文化」と「罪の文化」とはそれぞれ何なのか、簡単にまとめよ。
(3)「世間体」について、簡単に説明せよ。
(4) 武士にとって、なぜ「後ろ傷」が一番の恥なのか、説明せよ。
(5) 「桜は武士の花」なのはなぜか、簡単に説明せよ。
(6)「隣り百姓」の意味を説明せよ。
(7) 日本人の礼儀正しさはどこから来るのか、簡単に説明せよ。
(8) 集団の中で個人の責任感が薄れるのはなぜか、説明せよ。
(9)「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の意味を説明せよ。
(10)「恥の文化」の中では個性が育ちにくいことの理由を述べよ。
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ご清聴ありがとうございました。
日本人の行動規範―恥の文化
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